2024年3月19日に創業5年目を迎えたグローバルマーケティング。 創業者である左子と岡田が、グローバルマーケティングの これまでを振り返り、これからの展望を語る 「創業5年目突入記念インタビュー」。 前編は、創業5年目までを改めて振り返って思い出すこと、 これまでの苦楽などについてお聞きしました。 |
役員メンバー
立ち上げ時は、2人の専門分野を融合させ、営業活動から運用業務まで網羅的に活動
-創業時は、どのような活動からスタートされましたか?
左子(敬称略):創業当時は岡田と2人で、それぞれがお付き合いのあるクライアントに対してコンサルティングから広告の運用までを担当していました。岡田はリスティング広告の運用が得意でしたし、私はSNS広告の運用が出来ましたので、SNS広告およびその他の広告を担当していました。このように、それぞれの得意分野に特化した運用を行いつつ、必要に応じて外部の専門家にも業務委託で協力を仰いでいました。
岡田(敬称略):一緒に同じお客さんの対応をしていましたね。2人だったので、案件数も数えるほどしかなかったので、広告媒体ごとで自分たちで運用もして、営業もしていましたね。
-新規の営業活動もされていましたか?
左子:新規の営業活動は創業からしばらくして落ち着いた頃にスタートしました。Web広告サービスを比較できる専門の問い合わせ獲得サービスや見積比較から依頼できるような専門サービスに登録して、獲得したリードに電話営業をしていました。
岡田:懐かしいですね。当時はアパートの一室で活動していたので、周囲の環境に配慮しながら電話営業を行っていました。
左子:築55年ぐらいのアパートでしたね(笑)。
創業当時のオフィス
-厳しい状況下で活動されていたのですね。やはり最初は大変なことも多かったですか?
左子:創業当初に創業祝いで発注をいただいていた案件が、取引先の都合により中止に追い込まれたことがありました。正直なところ、創業早々だったので、影響が大きかったのですが、すでに進行中の将来につながる案件があったため、当時は深刻な問題にはなりませんでした。
岡田:初動で大変だなと感じたことはありませんでしたね。進捗が順調で、利益もしっかり出せていましたし、固定費もそれほど負担になっていなかったので、当時は比較的安定した活動ができていました。
毎年会社が存続の危機に瀕する状況に直面しながらも、起業によってもたらされる価値は非常に大きかった
-4年間を振り返ってみても厳しい・困難な状況はあまりなかったですか?
岡田:いえ、年に1回ぐらいは大口の取引先が解約になるという厳しい時期がありますね。
左子:ネット広告の業界は、一度契約いただいたからといって、ずっと任せていただけるわけではないなと、頭では理解していましたが、起業してより厳しさを実感しました。
岡田:2021年の秋に、わたしが担当していた大口取引のクライアントが、クライアントの事情で停止をすることになったことがあり、一気に利益が下がる、ということがあって、正直なところ焦りました。
左子:当時は、先ほどのクライアントが、売上の6割ぐらいを占めてました。従業員も増えてきたタイミングで、私たちも入れて10名ぐらいになったときだったので、心境としてはしびれました。どの企業もそうだと思うのですが、特定のお客様に売上が依存してしまうこともあるため、急に取引停止となると会社へのインパクトも大きいです。
岡田:2023年の秋にもクライアントが倒産してしまい、かなり大きな売上がなくなってしまうということもありましたね。
左子:そうでしたね。他にも新規事業の立ち上げに伴うリスクなど大変なことがたくさんありました。当社も急速に大きくなったからこそ、そういう試練にどんどん遭遇しているんだけだろうなとは思うんですけど。岡田は営業の数字が良くなければどうしていくべきなのか、私は会社のキャッシュをみてどう回していくのが良いのか、それぞれ震える数値感は違えど、苦悩はたくさんありましたね。
-そのような中でもどう立て直されていたのですか?
岡田:そういう時は、左子さんと共に、積極的に新しいビジネス機会を探しに、繋がりのある方に頭を下げに行っていましたね。「仕事をください」って。
左子:加えて、岡田と私がそれぞれ違う分野を担当していることが、会社を存続できる理由だと考えています。岡田が営業活動に集中し、私は会社の運営面に重点を置くことで、バランスの取れた経営が可能になっています。恐らく営業が得意な社長さんだと、会社の存続が危なくなっているのに、キャッシュがどうなっているのか分からず、知らないうちに潰れてしまうみたいなことが起こりうると思うんですよ。
岡田:ありそうですね。いつもこういった局面で私が売上を上げることに集中できているのも、私自身が弱い部分を全部左子さんができるっていう安心感があるからかもしれないです。
-大変な時期も多い中で、改めて起業をして良かったなと思うことはありますか?
岡田:私はやはり、営業が好きだということを再確認できたことですね。また「ゼロから100を創り上げる環境」に身を置けて良かったなと思いますし、起業してからの経験、さらに会社が大きくなればなるほど、お取引きいただける企業も増え、営業活動における挑戦と成長を感じることができました。
左子:私はずっと起業して良かったなと思っています。特に「全部自己責任として捉えられる」ことが、私の性格に合っていると感じます。会社の代表として、自分が決めたことは当然ですが、会社で起こった問題や受けた損害など、回り回って私の責任として受け止められることにやりがいを感じます。社会のシステムの中では、どうしても自分の責任ではない何かを背負わないといけない時がたくさんあると思うんですけど、自身の会社として受け止められる分、そういったことがないのは、自身の性分にも合っているなと思います。
岡田:また、会社が安定して成長できているのはやっぱり「人」なんだなと感じられたことも良かったです。起業1年後ぐらいに信頼できる広告運用の方に入社をいただけたのですが、そのあたりから、私自身思いっきり営業活動が出来るようになりましたし、その方がいたからこそ受注できた案件も数多くありました。さらに広告運用者も増え安心感が増したなと感じますね。
会社への貢献は、「組織の仕組み化」「教育研修」への投資
-創業してからお二人が思う最大の成果はなんですか?
左子:特に目立つ成果というわけではありませんが、会社の仕組みを整え、人事制度や各種働き方の制度を構築することで、組織の安定性と成長を支えてきたと考えています。良い意味で手離れが良い組織になりつつあるなと最近は感じています。これは創業当初からの目標であり、継続して取り組んでいきたいと思っています。
岡田:私も特に大きな成果として挙げられることはありませんが、売上向上のために努力し、営業部門の教育研修システムを構築するなど、組織の成長に寄与できたことですね。このような取り組みが、組織全体の活力と成果に繋がっていると感じています。
左子:確かに、営業部門の教育研修システムを導入して本当に良かったですね。
急拡大したからこそ、学びも多く成長できた4年間
-この4年間でご自身変わったなと思ったことはありますか?
左子:特に心の強さが著しく向上したと感じます。2年前の2022年秋頃に経営が傾くかもしれないという時期があり、1ヵ月ほどまともに眠れない日々もありましたが、良い時も悪い時も経験し、その過程で小さなトラブルにも動じない心の強さを身に着けました。
岡田:私も大口の取引がなくなるたびに不眠症になったりもしましたが、結局営業活動を続けていくことが一番の解決策だと思えるようになりました。そういった時になぜが凄く熱が入り、依頼をいただけることが増えるんです。
左子:そうですよね。ここは当社の凄いところなのかなと思う部分でもあります。
私が会社の数字をずっと見ているので、数か月先に良くない時期がくるなというのが見えてくるので、その都度岡田としっかりと話し合いを重ねます。すると岡田を中心にチームがしっかりと頑張ってくれて、受注率が一気に上がるというサイクルができていて。なので、この先はそこまで心配していないです。
-ご自身の成長という点ではどうでしょうか?
岡田:先に挙げたコンサルタントに細分化してもらえたことで、教育しやすくなりました。研修を構築していく中で言語化して伝えるスキルを身に着け、お客様への提案に関する理由や背景も踏まえたメンバーへの説明もしっかり伝えられているなと思いますし、営業力の底上げが少しずつできているなと実感しています。
左子:成長という点では、「1年のサイクルを終えないと経営面での成長が見えない」ということに気づいたことですね。例えば、繁忙期が来る時期に資金のキャッシュフローがアウトする経験をして、決算期を変更する。案件が多様化していくとキャッシュが厳しくなる時期が違ったりなど。1年経たないと答え合わせができないので、毎年勉強するという感じです。起業することでこうした経験を積むことができ、着実に成長できているなと感じています。